オランダの歴史家、ルドガー・ブレグマンの新著で原題はMorele ambitie(英語ならMoral Ambition)。
前著の『Humankind 希望の歴史』も豊富な事例で現代的な性善説を説いていたけれど、こちらは特に若い人を社会的価値を生む活動へ誘う内容。

政治や経済が混とんとした状況だし、気候は危機的だし、不安だらけの世の中で、過去の豊富な事例を掲げながら、オンラインでぐだぐだ批判するだけでなく、今こそ具体的に行動すべきという檄文とでも表現すればよいか。

福祉分野のソーシャルアントレプレナーについての大学講義の最後に毎年、彼の言葉を引用しているけれど、今年からはこの本を紹介。リアクションペーパーを見ても割と反応がいい。卒業後は福祉の現場に入る人も多いので、少しでも「たきつける」ことができたらと思っている。

最後に世界中の志のある青年をつなげるためのオンラインコミュニティまで作っている。誰でも簡単に登録できることもあってか、すでに150か国以上で25,000人以上が参加している。ちょっと入ってみた。

彼のSNSの発言は同意しかねるものもあったりするし、議論を吹っ掛けたいような気にもなるけれど、若手の論客としてはずっと注目しているし、この作品も大きなうねりを呼べばいいなとも思う。

『倫理的野心を持て―才能を「自分のためだけ」に使うのをやめる10章』
文藝春秋 刊
ルトガー・ブレグマン著
野中香方子訳

目次
プロローグ 世界一、幸せな脳
第1章 倫理的野心とは何か
第2章 行動のハードルを下げる
第3章 カルトに加わる(あるいは自分で立ち上げる)
第4章 勝つことは倫理的な義務である
第5章 数字に涙する
第6章 善良な人々のためのホグワーツ(魔法学校)に入学する
第7章 世界が必要としているものを見つけて実現する
第8章 命を救おう、今ならたった4999ドル!
第9章 モラル・サークルを広げる
第10章 良き先祖になるために
エピローグ どこまでやれば十分なのか?


■ブレグマンのインタビュー

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