悪人」や「怒り」の李相日監督。「フラガール」なんかも撮ってるけど、基本は重いテーマの作品が多くて、気軽には観られない。今回も気持ちを落ち着けてじっくり鑑賞。

地方都市(ロケは松本市)でそれぞれ家庭に問題を抱えている子どもと青年が出会い、一緒に暮らすことでそれぞれが癒されていたが、傍から見れば女児誘拐にしか見えず、青年は逮捕される。二人とも多くを語らなかったために青年は少年院へ。

それから15年。少女は成長して付き合っている男性もいるが、ずっと青年への悔恨の念に駆られている中、偶然にも再会を果たす。周りには理解しがたい二人の関係性に、それぞれ近しい人たちからは嫉妬され、疎外を受け、社会からは奇異の目で見られる。PV稼ぎのネットニュースの餌食にも。

人によって観る視点が異なるだろうが、巷の事件でもこうしたさまざまな背景があるだろうなぁと、その背景までも見ない報道を鵜呑みしてはいけないと思う。

役者の緊張感のある演技や映像の美に引き込まれることしきり。二人の育ってきた背景などは原作ほど詳細には描かれていないそうだが、映画としてはこれで十分。

オススメだけど体調がよいときにぜひ。

監督インタビュー

予告編

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