
直前に「TOKYO VICE」というひと昔前のヤクザの世界を描いたドラマシリーズを観たので、その流れからか裏社会の中での人間の生きざまを続いて観たくなり鑑賞。
ヘアメイク・スタイリストでもある女性作家が「女性が読めるハードボイルド」として書いた原作を映画化。不器用だけど純粋で本当は愛されるべき子たちを『愚か者』として描く(作者曰く)。無料低額宿泊所(無低)で出会い、戸籍の売買を行う半グレ二人組とその先輩の三人が闇ビジネスの中で喘ぎながらも生きていく。
三人の視点に分けてそれぞれ育ってきた境遇が描かれる。闇社会に陥らざるを得ないこれまでの人生の中で、歌舞伎町にたどり着いた三人。犯罪ではあるものの、先輩から後輩への「恩送り」的な行動が物語を深くする。
学生の頃によく遊んでいた歌舞伎町やいま関わっている多文化共生の活動でもよく行く新大久保辺りが舞台になっていて親近感がわく。この作品には直接的には描かれていないが、トー横や大久保病院周辺を少し歩けば決して仮想の世界ではないことがわかるだろう。
この作品では食べものが随所で出てくる。推しの坂元裕二が書いた「泣きながらご飯を食べたことのある人は、生きていけます」(「カルテット」)というセリフを思い出した。どんな時でもおなかは減るし、食べることで生きていることを確認する。食べるシーンは好きだ。
作品中では互助的な動きはあるものの他者からの救済の道は示されないが、小説は続編があるそうなので図書館で借りて読んでみる。
■予告編










