
香港映画はインファナル・アフェアの三部作くらいしか観たことがない。本作は、映画レビューか何かで絶賛されていたので観てみた。アカデミー賞やカンヌでも好評だったらしい。
80年代の黒社会の話で、九龍城砦に密入国者として逃げ込んだ若者を中心に、覇権争いに巻き込まれる中で、住民たちに受け入れられ、絆を深めながら仲間と出会い、友情を育んでいく。そしてあることが原因で大抗争となっていく。
九龍城砦は清朝時代に軍事要塞として築かれ1994年まであった場所で、最後は高層スラム街で狭い土地に最大約5万人がひしめき合っていた由。80年代は不法移民や黒社会が巣くっていて、87年に自分が初めて香港に入ったときは怖くて近くまでしか行けなかったけれど、何とも魅惑的な場所であったことは覚えている。
余談だけれど同じく当時、魅惑的だった重慶大廈(チョンキンマンション)はゲストハウスがたくさん入っていて、何泊かしたけれど、こちらは今だに残っていて、アングラ経済の人類学として社会学の本にもなっている。こうした猥雑で魅惑的な場所はなかなか日本にはないけれど、新宿の歌舞伎町にはそれを思わせるような料理店がある。知らないとまずは入れない。余談ばかり…。
内容が深いわけではなく、香港映画特有のアクションと猥雑な雰囲気は十分楽しめた。とても迫力のあるアクションは「るろうに剣心」シリーズのアクション監督が務められているそうだ。宜なるかな。単なるアクションだけでなく、九龍城砦の住民たちの生活感の描写と弱者同士の相互扶助が割とていねいに描かれているところに深みを感じる。まさにコンヴィヴィアルな生活の匂いがするところがまたいい。
それにしても香港の役者は年齢が言っててもすごいアクションができる。日本のヤクザの親分ではあり得ない。
■予告編










