推しの脚本家、坂元裕二さんはそれほどたくさんの映画の脚本を書いているわけではないので、これは鑑賞必至ということで映画館で。

「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」でも主演している有村架純さんが菅田将暉さんとともに主役。

終電を逃した大学生の二人が偶然出会う。マンガや映画、作家、漫才師など興味関心が近くたくさんの固有名詞が出てくる。それどころか、共に推していた押井守監督が本人役で登場するという。同じ時代を過ごした人には共感ありありものだろう。

同じ世代ではなくても、自分の時代なら何かなぁ、こういうことあるよね、とうなずかされることしきり。二人で暮らし始めて、社会人となり、好きなことに入り浸っていることもできなくなりすれ違い、別れという流れはある意味、ラブストーリーの定番的な流れだろうけど、そこは坂元さん、一緒に過ごした5年間を大きな事件を使うこともなく淡々と言葉で紡いでいく。

そして最後はファミレス。「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」でも最後はファミレス。『コントが始まる』(2021年)や『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年)でも重要な場面でファミレスが使われている。映画のパンフレットの中で、坂元さんは「ファミレスで話されていることこそが僕が話して欲しいことだし、あそこではマルチ商法から別れ話まで幅広く話されていて豊かですよね」とインタビューに応えているくらい。庶民の生活がファミレスに詰まっているということだろうか。別れに至る長尺のファミレスの場面は対話劇として秀逸。何度も見返したくなる。

こんな青春時代を過ごせたらその後の人生もきっと豊かになるだろうなと思う。

予告編

一般のお問合せ

メールフォームからお願いします。おりかえしご連絡いたします。

SNSのフォローやシェアをお願いします。

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう