
“伝説のハガキ職人”と呼ばれた実在の人物が自伝的に書いた小説が原作。とにかく面白いネタを書くことが人生のすべての目的であるように、投稿しまくる。
構成作家として関西のお笑い劇場に始まり、圧倒的に面白いネタが人気芸人に気に入られて上京することで成功したかに見えたが、“やるだけやって、燃え尽きたらそれまでじゃ””誰かが作った常識になんでつぶされなきゃあかんのか”と、誰とも交わらずに常軌を逸した行動をとり続けたため、周囲から理解されることはない。
最後まで救われることのないストーリーではあるものの、これがほぼ実話であり、作者のツチヤタカユキさんはまだ現役であることもあって、ライブな感じを味わえた。
なにしろ、主演の岡山天音の演技がすさまじい。彼曰く、この映画の核は一つのものに命を燃やしているということだそうで、まさにそれを具現化していた。それと大阪で知り合うホスト役の菅田将暉と上京を促した芸人役の仲野太賀の二人の演技もすばらしい。それぞれが主役の不器用さを理解しつつ、叱咤激励したり、背中をさすったり。もともと仲良しの三人で岡山天音が主役ということで出演を受けたらしい。
笑いがテーマなのにほぼ笑いがないのでリラックスして観る作品ではないけれどオススメ。
予告編
■出演者や作者、監督のトーク