レンタルDVD屋さんがことごとく閉店して不便なこと極まりない。しょうがないのでまとめて宅配レンタルを使うようになった。で、初めて借りたうちの一本がこちら。

普段からいわゆる任侠ものを好んで観ているわけではないけれど、この作品はあの「新聞記者」の藤井道人監督、配給が「新聞記者」「あゝ、荒野」や「MOTHER マザー」など、社会性の高い作品を作ってきているスターサンズということで観てみた。「ヤクザと家族×社会」がテーマ。

1999年から2019年の20年間のひとりの男を中心に据えて描かれている。地方の街のヤンチャな若い衆がヤクザと出会って兄弟の契りを交わした後、ある事件がきっかけで服役している間に暴力団対策法の改正とそれに伴う排除条例が制定され、「反社」として徹底的な排除に追い込まれていく。出所してみたらアパートも借りられず、銀行口座も開けない、携帯も契約できない。加えて経済至上主義に乗っかれる新興勢力が幅を利かせて、所属していた組は衰退の一途。排除は家族にまで及んでいて、一緒にいられない状況の中で男はある決断をする、というのが大筋。

観る人によって、感じることはもちろん違うだろうが、そこに込められたテーマは間違いなく「人権」。スターサンズのプロデューサーは「人間社会の矛盾と不条理が集約された形で今日まで生き残ってきたヤクザは、現代社会のリアルな縮図として、今こそ問題提起せねばならないテーマなのです」と言っている(公式サイトより)。

ヤクザだけではなく、社会から取り残された人々、排除されている人々は今でも多い。むしろ増えている。最近、保護司を描いた映画も公開されたが、メジャー公開の邦画でもこうした社会性を帯びた作品がヒットする時代は明るいのだろうか、暗いのだろうか…。

予告編

主題歌が切ない

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