最近、日本でもよくサードプレイスという言葉が使われるようになってきた。家庭(第一の場穂)、職場や学校(第二の場所)に次ぐ第三の場所として、このサードプレイスは位置付けられる。もともとは都市社会学に由来する概念だそうだ。

この本の解説ではサードプレイスは「日常生活において個人的な関係を持たないような相手と友好的な交流をもち機会を提供してくれる場所」としている。

本書、サードプレイス~コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」は、アメリカの都市社会学者レイ・オルデンバーグが1989年に著したもので、決して新しいものではない。

著者の言うサードプレイスの機能としては以下のようなものが挙げられている。

・近隣住民を団結させる場
・多世代間交流の場
・互助の場
・知的討論の場

本書で取り上げられる場所は、ドイツのビール園、イギリスのパブ、フランスのカフェ、アメリカの居酒屋、コーヒーハウスなどで上記の機能をこれらすべてが備えているわけではないだろう。

日本で言えば、子ども食堂やコミュニティカフェ、地域にねざした居酒屋や飲食店などがサードプレイスとされているだろうか。都市社会学というよりは、むしろ福祉的な見地が包含されているように思う。

ということで本書で語られるサードプレイスと今の日本のそれとは若干異なることを前提にして読んだ方がいいかもしれない。まぁ定義より実態で作っていけばいいだろうが。

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