今年さまざまな作品で引っ張りだこのの河合優実が主演で話題にもなったけれど、上映館が少なくて観られなかった。Amazon primeで早くも配信ということで鑑賞。

2020年の起こった実話をもとにしている点、親による虐待という点から是枝裕和監督の「誰も知らない」を思い出したが、語り口はずいぶん違った。ちなみに「誰も知らない」は自分にとってベスト10に入る映画。柳楽優弥はこの時からの推しの俳優。

母親と祖母と3人暮らしの主人公、杏は小学校の途中から学校も行かれず、売春、覚せい剤などを親から強いられ壮絶な生活を強いられていたが、薬物依存の更生に取り組む刑事と週刊誌の記者と出会い、更生施設や働き先を紹介してもらい、シェルターマンションに住みながら夜間中学にも通う。

世界が拡がっていった矢先に、新型コロナの感染拡大によって、仕事も人数調整のため待機、学校も一時閉鎖とそれまでのつながりを分断されてしまう。その他の悲劇的なできごともあって、せっかく積み上げてきた人生がまたガラガラと崩れていく…。

うちの息子も行列のできるパスタ屋でバイトしていたが、感染拡大によりでお客さんが激減し、最後は閉店となって無職になった(その後はYouTuberに)。アルバイトや非正規雇用者など、脆弱性の高い人たちが真っ先に切られた状況を家族が身をもって体験した。

いろいろな観方ができる映画だけれど、仕事柄からか、支援者の視点から観ていた。誰が何をできたのか。とても考えさせられる映画だった。対人援助に関わる方には特におすすめ。ただし心が落ち着いている時にご覧ください。

予告編

Hanako Web 特集(主役のインタビューあり)

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