村上春樹の原作、カンヌ国際映画祭やアカデミー賞で受賞したという鳴り物入りの映画をようやく鑑賞。妻を亡くした舞台俳優で演出家でもある主人公(西島秀俊)の心の葛藤に、ご縁で彼のドライバーを務めることになった過去のある寡黙な女性(三浦透子)との対話の果てにたどり着く境地とは。

今作では演劇が重要な位置を占めている。主人公が演出する「ゴドーを待ちながら」とか「ワーニャ伯父さん」の舞台では、演じる俳優がそれぞれ母国語で台詞を言うという特殊な組み立てになっていて、多国籍で多様性に富んだ人たちが登場する。この演劇の台詞と実際のドラマとが呼応し合う作り方になっていて、ラストシーンですばらしい場面を創り上げている。特に「ワーニャ伯父さん」の内容を知っていた方がより感動できるかもしれない(読んだことないけど)。

全体としては静謐なトーンで物語は進む。声を荒立てる人もほぼいない、しかも上映時間179分という今どき珍しい長さ。それでも飽きずに最後まで観られたのは、役者(特に上記の二人)の演技に引き込まれるからか。特にドライバーの三浦透子さんは、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の役や新海誠の「天気の子」の主題歌を歌っていたとは思えない地味で抑えた役作りがとてもよかった。

ちなみに映画には全く関係はないけど、女優の宮﨑あおいさんとお兄さんをインドにお連れして写真集「たりないピース」をつくった際、休暇でインドを旅していた西島さんと偶然会い、宮崎兄妹と編集チームと一緒に地元の人オススメのお店でベンガルカレーディナーをご一緒した。当時から背が高くてめっちゃイケメンだった(笑)。

予告編

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