さかぐちかずたかです。2020年1月から8カ月間、特定非営利活動法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(以下WAKUWAKU)の組織基盤強化のお手伝いをしてきました。これは、「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」の助成を受け、さまざまな観点から組織の現状を診断したうえで基盤強化の計画を立てるものです。

WAKUWAKUさんは、豊島区で子どもの貧困の解決をめざし、学習支援や子ども食堂、プレーパークなどの事業を中心に幅広い支援活動を展開されています。企業や行政との連携もさかんで、区内のステークホルダーが集まる「豊島みんなの円卓会議」を主宰して子どもの貧困について連携協働により解決する道を探っています。

COVID-19による感染拡大によって子ども食堂など面前での支援ができなくなったり、休校によって給食がなくなるなどする中、ひとり親の生活困窮世帯へのランチサポートや食料支援を行うなど、状況に即応できる活動はこれぞNPO魂という気がします。これからも必要なタイミングで必要な支援を行えるよう、自己財源の拡大やパートナーシップの更なる充実をめざして今回の基盤強化を決めたそうです。さらに法人の信頼度を高め、寄付を得やすくするために認定NPO法人の取得も視野に入れています。

実施に当たっては、理事や事務局スタッフからなるプロジェクトチームを組み、内外の環境分析や団体の強み弱みの分析、理事長、事務局長へのアンケート、関係者30名へのヒアリングワークショップを行いました。その結果を受けて、私から以下の項目について診断し、それぞれについて強化方策を提案しました。

1.組織運営
2.財務
3.ボランティア・人材育成
4.広報・情報公開
5.連携協働・ネットワーク
6.事業

感染拡大の状況下にあって途中からはオンラインでのワークショップとなりましたが、チームメンバーの積極的な参画によって、内容の濃い強化計画ができあがりました。立案した組織基盤計画について、8月8日に「WAKUWAKUの近未来に向けて」と題して公開型の報告会を開催しました。感染再拡大の中、オンラインとオフラインのハイブリッドな報告会になりましたが、総勢40名の参加者から活発な意見が出されたほか、ゲストとして招いたIIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]の川北秀人さんからも計画実施段階へのさまざまなアドバイスをいただきました。

組織基盤強化計画を発表する栗林理事長

組織の基盤強化には、なにより忙しいNPOにとって、通常の活動以外に時間とお金を使うことになるため、取り組むには組織の「覚悟」が必要です。Panasonic NPO/NGOサポートファンドは、私もかつて選考委員を務めたことがありますが、覚悟を持って取り組むNPO/NGOには非常にありがたい助成で、診断だけではなく、基盤強化の実施段階の継続助成も用意されています。WAKUWAKUさんの計画がきちんと実施されていくよう、今後も見守りたいと思います。(坂口和隆)

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