いまから15年以上前、女優の宮﨑あおいさんとお兄さんにインドを訪ねてもらいフェアトレードの生産現場やストリートチルドレンとの交流した模様を写真集にした「たりないピースプロジェクト」やフェアトレード×エコをテーマにした「エコレジバッグキャンペーン」、阪神タイガース協力でトラ保護の活動とフェアトレードをかけた「トラカムバッグキャンペーン」などでシャプラニールに多大なるご協力をいただいたクリエイティブディレクター、福井崇人さんの近著。

福井さんとはシャプラニール以外でも個人的にいろいろとご一緒させていただいてきて、ことあるごとにクリエイティブ畑の人はアタマの構造が違うんだと感じ入った。本書の構成にもそれが遺憾なく発揮されている。

冒頭に「本書は、これから社会に出ていく、あるいは社会に出たばかりの若者が、日本、そして世界で生き抜く力をつけるための『自分探しの旅』です」とあるように、先行き不安な社会情勢の中で若い人たちが自ら生きる道を探すためのガイドでありワークブックとなっている。カバーのイラストは映画監督の細田守さんの描き下ろしとのこと。細田さんについても書中で紹介されている。

キーワードは「パーパス」。最近ではビジネスの世界において「パーパス」という言葉をよく聞く。これまでよく使われてきた「ビジョン」、「ミッション」、「バリュー」が組織の内部を中心にして設定するものであるのに対し、パーパスは、組織の外部(社会)から見た組織の存在意義とされている。シャプラニールでも現行の中期ビジョンを策定する際に、このパーパスという考え方を使って、組織の存在意義は何なのかを議論した。

本書ではパーパスを個人が持っている価値として位置づけ、豊富な事例や直書きできるワークを使いながら探していき、最終的には実社会で活かしソーシャルな活動にも目を向けられるようなディレクションになっている。

若い人にはもちろん、60歳を超えて新しいことに取り組んでみようという私のようなシニアの人が自己再発見の営みをする際にも使えそう。息子たちにも勧めようかな。

ご参考

●福井さんのサイト

●出版社のサイト

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