ヤクザと家族」「前科者」と同じタイミングで宅配レンタルしたからか、罪を犯して刑期を終えて出所した人のお話が重なった。いまはそういう志向性があるのかもしれない。

人生の大半を塀の中で過ごした「極道」が刑期を終えて出所した元殺人犯が社会の中で、周りに支えられながらどう更生していくのかを描いた作品で、小説が原作であるものの、その原作が実在の人物をモデルにして書かれた由。

今年の日本アカデミー賞の各賞を総なめしたほか、海外でもいくつか受賞をしている。テーマや映像もさることながら、おそらく主役の演技に負うところが大きいように思う。それほど演技がすばらしい。

戸籍もなく私生児として養護施設に育った主人公は、曲がったことが嫌いで、困っている人を助けるためにでも切れると手が付けられなくなる。社会というレールに乗っかって生きているものは、間違ったことが行われていても、見過ごすことがレール上のことなら敢えて見過ごす。だからこそレールから外れながらも真っ当なことをする主人公のような人間を許せず排除する。

見てみぬふり、事勿れ、トガらないでレールに乗っていることと、やり方はともあれ、見過ごさずに信じた道を行くこととどちらが「すばらしい世界」なんだろう。物語そのものよりも、内包されるいくつかのテーマの方を考えさせられる映画だった。

公式サイトでは私の好きな是枝裕和監督やポン・ジュノ監督など有名人のコメントが掲載されているが、いちばん感じ入ったのは以下。

生きてる理由がわからないまま生きていいのかな?
と戸惑う昨今
息をして飯が美味ければ
それで良し
そう言われた気がした
ラッキーなんだよね我々は
つべこべ言わず
わがまま言ってないで
生きろよ

川上洋平([Alexandros])

日々の暮らしを大切にしながら、レールを外れることを厭わずに生きていきたい(もう外れてるか!)

予告編

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