
戸籍もなく私生児として養護施設に育った主人公は、曲がったことが嫌いで、困っている人を助けるためにでも切れると手が付けられなくなる。社会というレールに乗っかって生きているものは、間違ったことが行われていても、見過ごすことがレール上のことなら敢えて見過ごす。だからこそレールから外れながらも真っ当なことをする主人公のような人間を許せず排除する。
見てみぬふり、事勿れ、トガらないでレールに乗っていることと、やり方はともあれ、見過ごさずに信じた道を行くこととどちらが「すばらしい世界」なんだろう。物語そのものよりも、内包されるいくつかのテーマの方を考えさせられる映画だった。
公式サイトでは私の好きな是枝裕和監督やポン・ジュノ監督など有名人のコメントが掲載されているが、いちばん感じ入ったのは以下。
生きてる理由がわからないまま生きていいのかな?
と戸惑う昨今
息をして飯が美味ければ
それで良し
そう言われた気がした
ラッキーなんだよね我々は
つべこべ言わず
わがまま言ってないで
生きろよ
と川上洋平([Alexandros])
日々の暮らしを大切にしながら、レールを外れることを厭わずに生きていきたい(もう外れてるか!)
予告編